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「これからどこに行くの?お家には帰らないの?」
ボクは女の子に手を引かれながら暗闇を歩いていく。一緒に歩いている間にいろんな事が思い出されてきた。あの日、ボクが川に流されて死んだことも。
「帰ってるわよ。呪いの跡をたどれば母さんのところに行けるから」
「お姉ちゃん?」
「私は生きていたのに。私たちを探しもせず、父さんは私たちを見捨て別の人と結婚した。今は、変な宗教にはまって誘拐犯を呪い殺すために私たちの魂を供物にした、愚かな母さんの所に帰るところよ」
母さんは二人が同じ日に死んだと思ったのだろう。ボクが知らない双子の姉の生きてきた時間―――呪いがすぐに効かなかった理由に、母さんが気付いていたらこんな事にはならなかったかもしれない。見上げた姉さんの両目はギラギラと真っ赤に光っていた。きっとボクの目も同じように赤いのだろう。
(終)
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