last scene

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バレンタインから一ヵ月。 あれから斎と直接会うことはなかったけれど、電話やメッセージで連絡は取りあっていた。 しばらくはぎこちない雰囲気になっていたが、元々斎は口数が多い方ではないし、いつもと変わらない口調で話す斎につられるように、私も自分のペースを取り戻していった。 そして今日は。 神崎女学院高校の卒業式──。 とは言っても、ほとんどの生徒はそのまま神崎女学院大学へ進学するので、朝礼のごとくアッサリとしている。 もちろん、一部の生徒は外部の大学へ行ってしまうので、全く別れがない訳ではない。 仲の良い友達と離れてしまう子は、お互いに抱き合って泣いていた。 そして、私達はといえば… 「舞とは学部も一緒だしね。これからもよろしく!」 そう言って笑う杏奈に、私も笑顔で応えた。 「こちらこそよろしくね、杏奈」 杏奈とは同じ大学、学部に進むことが決まっており、選択する授業も重なることが多いだろう。 そういう意味でも、私は何の不安もなく、これから始まる新しい生活にワクワクする気持ちに溢れていた。
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