第二章 12:00AM 肝試しスタート

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 蜷川の肩越しに優也は配電盤を覗き込んだ。ペンライトの明かりが電源パネルを照らしていた。スイッチはすべて「オフ」の側に下りていた。 「どうしたの? 何があったの? 蜷川くん」  仁科華のおびえた声が聞こえた。 「それが……このお化け屋敷には今、電気が通ってないようだ」  どこか他人事のような感じで蜷川が言った。 「……どうやら、早くここを出た方が良さそうね」  さやかがぽつり、とつぶやくように口にした。 「いちばん近い非常口はどこ?」  名波茜に訊かれ、蜷川が答えた。 「この先の第三手術室を過ぎたところにある」
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