プロローグ とあるお化け屋敷で

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ゴミの山を越えていけば、あそこから向こうに抜けられるかもしれない。正面玄関は鉄板で塞がれていると言っていたけれど、行けば何とかなるかもしれない。 ゴミの山に足を踏み出しかけた少年の目に、白い軽石のようなものが見えた。ぽっかりと空いた大きな眼窩、ギザギザの犬歯、表面に走る細かな亀裂。 ……骨? 人間の骨ではない。豚の頭とか馬の頭とか、そんな感じだ。 「三カ月ぐらい前だったかな――」 扉越しにカズヤの声が聞こえた。 「ヒロとこのお化け屋敷を探検しているときに〝彼女〟を見つけたんだ」
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