プロローグ とあるお化け屋敷で

16/24
前へ
/526ページ
次へ
少年はあわてて明かりを向けた。ベッドの下に、人間の髪の毛のようなものが見えた。床と水平になるように屈んで覗き込むと、人間の肩のようなものが見える。普通の肌の色ではない。七面鳥の皮のようなオレンジ色をした皮膚がのぞいている。 ……人? 死体? 「それ、本物の焼死体さ。僕とヒロがここで見つけたんだ。すぐ警察に知らせようと思ったけど、僕たちが普段からこのお化け屋敷に忍び込んでいたのがバレるだろ? だから黙っていることにしたんだ」 「……本物なの?」 声がかすかに震えていた。 「ああ、それと自殺じゃないぜ」 少年がごくっと唾を呑んだ。自殺じゃないとすれば殺されたのだろうか? それとも誰かがどこかで殺して運んできたのか?
/526ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1301人が本棚に入れています
本棚に追加