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「初めは怖くて仕方なかったんだ。ああ、ヒロは今でも怖がってるけど」
カズヤの含み笑いが聞こえた。
「落ち着いてくると、だんだん興味が湧いてきた。男なのか女なのか? なぜこんな所で死んでいるのか? 自殺なのか、他殺なのか? 僕は根っからの研究者タイプなんだろうな。気になったら止まらなくなったんだ」
「カズヤ、先に扉を開けてよ。気分が悪いんだ」
扉のノブをがちゃがちゃと回した。
「もう少し我慢しろ。話が終わったら出してやる」
講義を中断された大学教授のように、不機嫌な声でカズヤが答えた。
「僕とヒロがこの部屋にいたとき、たまたま部屋にネズミが出て、彼女の近くに逃げていったんだ。何が起こったと思う?」
クイズに答えるどこではない。恐怖と悪臭で吐き気がした。
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