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* チャッピー
壁掛けランプのおかげでペンライトはもうつける必要がなかった。
通路の様子が暗闇だったときよりもよくわかった。床は古い小学校の廊下のようにニスを塗った木目張りで、壁は何年にもわたって屎尿を浴びせたように黒ずんでいた。天井は意外に高く、鉄骨の梁が剥き出しになっていた。
でも、逆に怖くなったような気も……。
耕太は上下左右にせわしなく目を走らせる。通路に面した扉が近づいてくるたびに恐ろしい想像が脳裏をよぎる。もし部屋の中に何かが隠れていて飛び出してきたら? そう思うと気が気ではない。
思った。だらだら歩かず、一気に駆け抜けた方がいいのでは?
「走ったらだめですよ」
不意に後ろから少年の声がした。
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