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「狂ってる」
震え声で少年が呟くと、悪びれた風もなくカズヤが答えた。
「探究心が旺盛と言ってほしいね。実験の結果は僕の予想通りだったよ。生きた犬を食べさせたときの再生スピードはこれまでの比じゃなかった。一気に人間の姿に近づいた。で、思ったのさ。もし――もしもだよ。人間を食べさせたらどうなるんだろうって」
ノブを引っ張っていた少年の手が止まった。
人間?
耳の奥で鼓動がどくんどくん、と脈打ち、やがてそれは大きな拍動になった。痺れたように上手く回らない頭をなんとか動かし、今カズヤが発した言葉の意味を理解しようとした。人間を餌にする。それは、つまり――、
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