第一章 11:00PM 城岩ドリームランド

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「二人とも落ち着いてよ」  仲裁に割って入った耕太を、蜷川が睨みつけた。 「雨宮、お前は僕の怖い話を聞いてどう思ったんだ?」  突然、矛先を向けられて耕太は焦った。 「え? いや、その……怖かった、よ」  あいまいにしか答えられない理由があった。この手の話が苦手な耕太は、蜷川が話をしている間中、隠れて耳を塞いでいた。少年たちがお化け屋敷に入ったあたりまでは覚えているが、そこから先はさっぱりわからない。感想なんて言えるわけがない。 「どこが怖かった?」  蜷川がグイグイ迫ってくる。こと怖い話になると、蜷川も妥協しない。 「どこって言われても……そ、そうだ。蜷川君の話し方、すごく迫力があったよ」  ぷっとさやかが吹き出した。それで、テーブルに笑いの波が広がった。
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