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「はいはい。では、こちらの物を何かお買い上げ下されば、ご案内いたしましょう」
「そうですか……。じゃ、この鳥のような形の商品は、いくらですか?」
「千円で御座います」
「じゃ、これを買います」
「ありがとう御座います」
にっこり笑った女将が手を出すと、もうその商品があった。
彼女は、その商品を森本の手に移した。
すると、その鳥の形をした商品は、彼の手に溶けるように消えた。
「あれー? あれあれ?」
「お客様の心の中に入ったので御座います」
「はぁ……。……? じゃ、これを……」
千円を女将に渡した。
「はい、確かに――。ありがとう御座います。では、どうぞ、こちらへ」
女将は、奥へ案内するようだ。
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