黒猫と酔っ払い

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「俺、キャンセルしたいんだけど」 そう告げると今度ははっきりと分かるように彼女は微笑んだ。 「ありがとうございました、またのご予約をお待ちいたします」 次の瞬間、俺はさっきの路地裏で座っていた。 「やっぱり夢か」 ゆっくりと立ち上がり、腕時計を見るとどうやら2時間くらい寝ていたようだ。 「さて、また明日から働くかぁ」 「にゃあ」 足元に夢で見た黒猫がいた。 「おまえのせいか?さっきの夢は」 ゆっくりと歩き始めると、黒猫は俺を追い越して走り出した。 路地に落ちている板のような物を飛び越えて。  
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