金色

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そいつは入学当初から目立っていた。 何故かと言うと、圧倒的に黒髪が多い高校生の中で、そいつだけは目が覚めるような金髪をしていたからだ。 所謂不良と呼ばれるような性質なのかと思えば、意外と誰に対しても人懐こく、女子にも男子にも慕われるのだからよく分からない奴。 中にはその目立つ容姿にかっこいいなんて浮かれる女子もいるけど、私はあの目がちかちかするような派手な金色が好きじゃなかった。 暴力的ではないけど、遅刻も不真面目な姿も目立つあいつにはなるべく関わらず、遠い場所でひっそりと高校生活をエンジョイするつもりだった。 あの日までは。
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