金色

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「もう終わっちゃった?」 見間違う事も難しい、派手な金髪男子の登場に、治まりかけていた頭痛がぶり返す。 今年も同じクラスになってしまい、今日は珍しく見かけないなと思っていたのに。そういえば、いつもこいつと一緒にいる連中が、遅れてくると言っているのを小耳に挟んだ気がする。 「……………ううん。まだ皆いる」 関わりたくなかったのに、自分一人しかいないんじゃ答えざるを得ない。 まぁすぐ中に入っていくだろう、と高を括っていた私の隣に並び、金髪男子──瀬名湊人がじゃあなんでここにいんのと無邪気に言う。 一人にしてほしいのに、関わってほしくないのに。ずきずきと痛みがぶり返す頭を押さえながら、ちょっと涼みたくてと嘘をついた。 「私まだちょっとここにいるから、先行ってなよ」 「んー、別に歌いたい気分じゃないし、まだいいかな」 行けって言ってんの分かんないの!? 少し高い目線から、顔色悪いけど大丈夫?と覗き込まれる。半分はお前のせいだと胸の中で毒づき、大丈夫とだけ答える。本当は頭が割れそうな程痛いけど、心配されて長くここにいられたんじゃさらに酷くなってしまう。 頭を押さえながら、構わず先行ってていいよと繰り返すけど、瀬名はまだいいと繰り返す。 「具合悪いんじゃん?頭押さえてるし。熱?」 無遠慮すぎる手が、前髪を掻き分けて私の額に触れる。自分の手よりも大きな手に触れられて、かっと頬が熱くなった。 「ちょっと頭痛がするだけだから大丈夫!ほんとに先行ってて!」 手を振り払いながら、触れられた記憶に上書きするように自分の額を撫でる。 不覚。まさか触られると思ってなかったから油断した。 男子に熱測られると思わなくてびっくりしただけで、こいつにどきどきしてる訳じゃない!
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