金色

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自分に言い訳しながら、急に上がった心拍数に驚いた頭痛が、さらに痛みを増す。 やば、ちょっと倒れそうかも…。 壁に手をついてバランスを取る私に、瀬名が置いてける訳ないじゃんと呟く。そして支えるように私の肩を抱くと、放してと振り払おうとする私の手首を掴んだ。熱い手に握られた場所が痺れていくような気がして、ちょっとと言いかけて言葉が引っ込む。 私をじっと見下ろす瀬名の顔が、赤くなっている。私よりも熱がありそうなその顔色に何も言えず、意外に可愛らしいその顔を見ていると、瀬名が震える唇を開いた。 「好きな女の子が具合悪そうなのに、ほっとける訳ないじゃん!」 勢いで出たような言葉に、頭痛がどこかへ行ってしまう。代わりに、侵食されるようにじわじわと体が熱くなっていき、火が出そうな程顔も熱くなる。 「じ、冗談いいから放してよ!」 「結構勇気出したのに冗談扱い!?」 「当たり前じゃん!まともに話した事もないのに!」 「話した事はなくてもずっと見てたし!」 半ばやけくそなのか、瀬名が顔を真っ赤にさせてそう言う。 ぎゅっと力の込められる手が熱くて、痛くて、これは夢だと思う事もできない。 手首に感じる大きな手の感触や、熱は、確かに今私に与えられるものだから。 「好き。去年からずっと好き。今年も同じクラスになれて嬉しかった。今年こそは好きって言うって決めてた。……俺と付き合ってください」
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