2章 青の学生の時の過去

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 そんなことがあったので 4月の上旬の ある時 山井もみじは 青山幸村を 近所の公園に 誘って こう切り出した。 「わたしの決心を 聞いて  ユッキー」 と 言ったので 青山幸村は 「どうしたの? もみじさん」 と 聞き返した。  そして山井もみじは こう 言い始めた。 「ユッキーには 悪いと  思ったんだけど・・・」 「だけど もうおしまいよ。  別れましょ。  ユッキーと わたしとじゃ  幸せになれる 自信がないの。  お願いよ。 別れましょ」 と 言われた青山幸村は とっても びっくりして 「ちょっと待ってよ もみじさん。  何故 何が そうさせたんだ?  イヤだ 別れたくない」 「本当に 別れたくないんだ  もみじさん」  山井もみじは多分 青山幸村が こう言って来るだろうと 思っていたので やっぱりと 心の中で 思ったのだった。  そして 山井もみじは 「やっぱり 無理よ。  別れましょ」 と キッパリと 言い放った。  青山幸村は かなり パニックになって 「イヤだ 別れたくない」 と 繰り返し 山井もみじに お願いしていたが いくらそう 言っても 無理だと だんだん 思い始めた。  そうする内に 本気で 泣き出して こう言った。 「自分の何が いけなかったんだー」 と 悲鳴にも似た言葉を 言ったのが 最後だった。  山井もみじは あきれ果てて その場所から 走り去って しまったのだった。  青山幸村の はじめて付き合った 山井もみじとは それきりになって しまった。  そういう 破局のパターンを 青山幸村は 体験したのだった。
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