幻の店

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「冴木様、神になれば、今以上にやりたいことができるようになりますよ」 「俺は冴木健として、やりたいんだよっ!」 「残念ですが、それは諦めていただくことになりますね」 店長の静かな声に、冴木は頭をグシャグシャとかきむしる。 「誰が神にしてくれ、なんて頼んだよっ」 冴木の叫びは尻すぼみになる。 「冴木様は神になる資格を得るためのポイントを全て貯められたのですよ? 誰にでもできることではありません。 誇ってください。 さあ、お立ちください。 神になるための道はまだ始まったばかりです。 説明をいたしますので、先ほどのソファーにお戻りくださいませ」 店長が冴木の腕を掴み、グイとひっぱる。 思わぬ強い力にひっぱられ、冴木は無理矢理に立ち上がらせられる。 店長の強い力にひかれながら、冴木はソファーに戻り座る。
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