3章 魔物の宴

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・ また…ルナが欲しくなる。 散々抱いても直ぐに猛る。 餌を得るためだけに必要だった魔物の艶香。 マダムと唇を重ねながら、グレイの躰の奥は再び熱を蓄えていた… ◇◇◇ 「奥様」 「やめてその呼び方!」 「………ルナ様。お食事の用意が出来てございます」 白髪の老紳士。執事のモーリスにルナは叫ぶように声を張り上げた。 もう成す術はない。自由にしていいと言われては居ても結局は見張られている。 そんなストレスからか、ルナは一番まともに見えるモーリスには強気で反抗していた。 だが、やはり彼もヴァンパイア。 主人の吸血行為に耐えられるように計算された食事を前にして、食べることを拒むルナを魔力で操る。 「旦那様の為です。何がなんでも食べて頂きますよ」 「嫌っ…」 生レバー尽くしの料理に吐き気を催す。 モーリスは顔を背けるルナ自身の腕を操り、自分の腕の動きと必死で格闘するルナの口に生の料理を無理矢理運ばせていた。 「おや。また吐き出しましたね…」 口に詰めたレバーをドロリと吐き出す。 そんなルナにモーリスはため息を溢していた…
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