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その奇妙な店は、探し物の最中突然現れた。
奇妙な店と言っても別に奇妙ではない。
店の名前が『奇妙な店』なのだ。
ショウウィンドウから中を覗くとただの雑貨屋にしか見えない。
「何が奇妙な店だ」そう思いながらも心の何処かで、もしこの店に不思議な物が売っていたら。や、ここの店主が不思議な人だったら。などが頭を過ぎり、体は自然と木製で出来ている扉のドアノブに手を掛けていた。
カランカラン♪♪
扉を開くと店内はレトロな感じで何処か中世的な雰囲気が漂っている。
テーブルの上には様々な装飾品や食器、服などが並べられ、やはりただの雑貨屋にしか見えない。
「いらっしゃいませ♪」
後ろから声を掛けられたがセリフからして店員だとすぐに気づく。
振り向くとそこには20代半ばくらいの女性が紙袋を手に俺を見ていた。
「すみません、丁度お昼ご飯を買いに出ていて…どれくらいお待たせしてしまいました?」
「いえ、僕も今入ったところなので」
「よかった♪」と言うと、持っていた紙袋を奥へと置きに入っていく。
期待していた店員さんも奇妙ではなさそうだ。
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