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その奇妙な店は、ビル街の地下にあった。
店へと続く階段の前には、お洒落な看板が立っている。しかし、ウィルはそこに書かれている文字がどれほど穢らわしいものかを知っていた。
野菜専門レストラン。
ウィルはその言葉がとても嫌いだった。
どれほど憤慨したことだろう。今日こそ、この店のオーナーにガツンと言ってやる。言ってやらねばならない。俺のプライドにかけて。ウィルはそう決心して、階段を降り始めた。
やがて、ウィルはレトロな雰囲気の扉の前へ辿り着いた。ここから先は悪魔のたまり場だ、とウィルは考えていた。ウィルは扉を壊しそうな勢いで開けた。
「いらっしゃいませ。」
店員が奥から愛想のいい笑顔で出てきた。だがウィルの目には、それが悪魔の笑みのように映っていた。
店のいたるところに掛けられている野菜の模型に、ウィルは一層憤りを覚えた。
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