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「お前みたいな輩と話しても埒が明かない。」
この捨て台詞を叩きつけて、ウィルはその店を出た。地上に出ると、ビルについているスクリーンが、大々的に野菜の宣伝をしていた。
こんな社会になったのも、元はと言えばあの店が悪い。野菜ブームが起きてから、俺が育てた家畜の売れ行きが悪くなった。それもこれも全てあの店のせいだ。あの店が憎い。
ウィルは、そんなことを考えながらビル街をフラフラ歩いていた。
突然、雨が降り始めた。
しばらく、いやずっとこの雨に濡れていたい。ウィルはそんなことを思っていた。
しかし、あいつらは雨に弱い。畜舎の見回りをしなければ。
ウィルはそう思い直して、家路に着いた。
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