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「……自力で?」
「そう。病は引き合うから」
彼女の言っている意味がよく分からなかった。
岬は十字架のような植物のようなモチーフ――機関の紋章がついた保冷バッグから目を上げた。
「由紀菜さん、もう一回説明してくれない?」
「何について? 私の人生? あるいはキミの従兄・中森浩輔との出会いかな?」
「違う! マリアホリックについてだよ」
噛みつく岬へ、由紀菜はからかうように笑った。
「やっぱりビンゴだったか。最近アディクトと接触したんでしょ」
岬は素直に首肯した。
「症状が進行したのもそのせいね。不思議なものよ。血と血、遺伝子同士の引力」
理系のクセにポエムだ、と口の中で言うと、聞かれたようで頬をつねられた。
「いいわ。説明いたしましょう。ただし」
「何?」
「先に、〝そのアディクト〟と何があったのか教えてくれない?」
由紀菜の顔つきは、好奇心旺盛な女子高生のようだった。
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