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「鏡也に好きだって言われました」
笹原は目を見張った。
告白され、口づけられ、そしてそれに答え、応え、自ら口づけた。
さっきのような激しいキスではなかったけれど。
「僕が理解した感情。好きだって言う思い……偽れません。偽らないためにどちらか選ぶべきだと思ったけれど、それもできませんでした」
軽蔑されるのを覚悟で言った。
「僕のやってることは、たぶん、おかしいです。多くの人が許さないと思います。だからののしってもらっていい。さっきの先生の言葉が過去形になってもいい。でも、その前に、一度でいいから聞いてください」
ふわりと風が二人を撫でた。
「あなたの事が、好きです」
岬は月明かりの下で告げた。
「笹原先生、僕はあなたが好きです」
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