1章

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「何? 他にあるなら教えてよ」  ちろっ、と彼女はこちらを見る。岬が眉をひそめて返すと、今度は肩をすくめられた。 「必要そうだったら教えるわ」 「今の僕はまだ知らなくていいってこと?」 「岬くんの場合は血液だけで十分でしょ。普通の人と違ってOHGに冒されてるんだから。ネクターにするならまず血液よ」  ぐ、と言葉が詰まる。 「それに、いざとなったら相手が教えてくれるかもしれない」  ぽそっ、と由紀菜が言う。  相手、とは―― 「ねぇ岬くん。専属提供者になってあげたら?」  由紀菜の提案に、岬は耳を疑った。
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