西方浄土
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陽が西に傾きかけていた。砂浜で遊んで いた小さな女の子が、自分が作ったお城が 波に洗われて壊れてしまったと泣き出した。 結局わたしは何を失い、何を得たのだろう。 ふとそんなことが美奈子の胸を過(よ)ぎっ た。いつかわかる日が来るのかもしれない。 彼女はアクセルを踏んだ。窓外の風景が 流れて行った。 (了)
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