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その奇妙な店は、大型ショッピングモールの一角にあった。その店は外見からして、明らかに他の店とは違っていた。中の様子は古い小屋から取ってきたかのような木の壁に遮られて見ることができず、唯一の出入口とも思われる扉もヨーロッパ風の古そうなものだった。しかし、一番奇妙だったのは、扉の横にある立て看板だった。
「魔法グッズ、たくさんあります♪魔法雑貨屋カンナ」
看板にはそう書かれていた。
怪し過ぎる……
僕は店の前で足を止めた。
魔法グッズなんて、ふざけているのだろうか?第一、こんな怪しい店は入るのに勇気がいる。しかし、僕は魔法という言葉が気になって仕方がなかった。僕は、勇気を振り絞って入ることにした。
扉を開けると、ギイという嫌な音と、カランカランというキレイな鈴の音がした。鈴の音が合図になったのか、店の奥から1人の少女が慌てて出てきた。
「い、いらっしゃいませ~。飲み物はコ、コーヒーになさいますか~?それともこ、紅茶になさいますか~?」
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