第1章

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店の外は横殴りの豪雨。 店の自動ドアが開き大量の雨水と共に、20代後半の女性が店の中に飛び込んで来た。 「「いらっしゃいませ」」 店員が声をそろえ、飛び込んで来た女性に声をかける。 「もうちょっとで家に着くところだったのに、急に雨が降り出すんだもの。 このお店があって助かったわ。 でもこのお店、前からあったかしら? ねえ、このお店何時出来たの?」 女性は彼女の下に近寄って来た店員に声をかけた。 「つい最近です」 女性は返事を返してきた店員を見て、そのルックスに見とれてしまう。 年の頃20代半ば、細身の長身で甘いマスク、その甘いマスクに笑顔を浮かべ女性に話しかけ続ける。 「近場だとタクシーも来てくれないでしょうから、お風呂に入っていったらどうですか?」 「お風呂?」 「はい。 この店の裏に銭湯があるのです」 「どうしようかな?」 「2~3時間お風呂で時間をつぶせば、雨も上がっているのでは無いですか?」 後ろから別な店員が声をかけてきた。 振り返った女性の目に入ったのは、年齢は30前後だが、脇にいる男性店員と同じようなルックスで、それに渋みをミックスしたような男性。 女性は2人の男性店員に手をとられ、銭湯に続くドアに向かう。
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