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女性店員が話しかける。
「お母さんとはぐれたとき何があったの?」
「うーんとね、おかあさんとおとうさんとおねえちゃんとね、おかいものしていたの。
そしたらね、まわりにいたひとたちみんなが、おそらをゆびさしてさけびだしたの。
まわりがバァ――ってあかるくなって、まぶしくておめめをギュッ――とつぶったの、それから、すこししてからおめめをあけたら、おかあさんもだれもいなかったの。
グス、おかあさ――ん」
「目を瞑った時、身体が熱くならなかった?」
「え? あ!!うん、すごくあつかった」
「あのね、良く聞いて、あなたはその時亡くなったの」
「え?」
「向こう岸を見てごらんなさい。
向こう岸で手を振っているの、お母さんじゃない?」
2人が浸かっていた風呂は何時の間にか大きな川になっていて、向こう岸で数人の男女が手を振っているのが見えた。
「あ!!おかあさんだぁ――」
女の子が向こう岸に向けて走り出そうとするのを、女性店員は優しく抱き止め、何時の間にか直ぐ傍に漕ぎ寄せられた船の船頭に、女の子を託す。
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