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「ん……」
寝たふりしながら仰向けになると、哲哉が本格的におおいかぶさってきた。
その重さに、ピレニーズに乗られて、顔から首からべろべろなめられてるのを想像する。
生肉をもったいぶってなめ回すピレニーズ……ちょっとウケる。
つい笑うと、哲哉がおれを覗きこんだ。
「……起きてるんだろ」
「寝てる」
「返事、してるよ?」
「寝言」
目を開けずに答えると、顔にキスが落ちてきた。頬から額から、まぶたや鼻まで、どれだけすれば気が済むんだってくらい、柔らかい感触が降ってくる。同時に着ているTシャツをめくり上げられ、肌をまさぐられた。
気持ちいい。じわじわ来る。
ちゅ、と音をたてて、唇をついばまれた。
「静……好きだよ」
「ぷっ、ははは!」
いきなり何だ、こいつ。
我慢出来なくて噴いちゃったじゃん。
笑いながら目を開けると、哲哉は曖昧な笑みを浮かべて見下ろしていた。
「なにそれ、ギャグ?」
「……」
「ウケるー、うんうん、おれも好きだよっ、クククク」
哲哉の首に腕をからめて、ニコニコしてやった。
ムード作りがヘタなくせに、哲哉はときどきこんな変なコトを言う。
ヤリたくなったら来るだけの、セフレのくせに。
おれを笑わせて満足したのかは知らないけど、哲哉は何も言わず、キスの続きを始めた。
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