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「んぐ、んぐえ、んがーっ!」
文字通り蹂躙されて、必死にじたばたして、やっとのことで哲哉を押しのけた。
「こ、このやろ、ひどっ!」
「はははは、静必死だ、かわいいー!」
「笑ってんなバカ、おれが嫌だって知ってるだろっ」
「だってかわいいんだもん」
「……」
「俺より小さいとこも、肌が白いとこも、目が二重で泣きぼくろがあるとこも」
「へー」
「やせててぺらぺらなとこも、きれい好きなとこも、好き嫌い多いとこも」
「ふーん」
「強情なとこも、わがままなとこも、気分屋なとこも」
「……」
「寝付きが悪いとこも、血圧低いとこも、朝すっげー弱いとこも」
「イヤそこ欠点じゃん」
つい眉を寄せると、哲哉はすごく嬉しそうな顔をして、左手の甲で口元をぐいっと拭いた。そしてその手で、おれを抱き締めた。
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