ベロチューは好きですか?

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「もう一回!」 「うわ、止めろおっ!」 「止めろも好きの裏返しっ」 「それお前だけだから!」 「我慢してたら終わるから、慣れるからっ」 「ムリムリムリムリっ」 ベッドの上でもみ合いになった。大のオトコ二人が、朝も早よから大騒ぎだ。 たかがベロチュー、されどベロチュー。心から愛した人ならまだしも、ただのセフレ相手に我慢なんて出来ない。 でも、力と体重は残念ながら、哲哉の方が上だ。しかもこいつは柔道の経験がある。その気になったら、ただのインドア読書好きのおれなんか、簡単に押さえこめる。 丸めてキュっとして、ブチューって感じだ。 仕方ない、こうなったら最終手段だ。 「おはぎさんっ、おはぎさーん!」 閉められたドアへ向かって叫ぶ。するときっかり十秒後、ドアに何かが激突する音が響いた。 「うわ、来たっ!」
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