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哲哉が焦る間に、また何かが激突する。そして三回めの激突が響いた瞬間、ドアの棒状のノブが回され、遂に開いた。
「ウニャア」
黒白の豊満な体を揺らしながら、おはぎさんが部屋に入って来た。
力士みたいに堂々と歩いて来て、我がもの顔でベッドに飛び乗る。見た目より華麗なジャンプだけど、受け止めたベッドマットはか細い悲鳴を上げた。
「うわあ……静、ひどい」
「ひどいのは哲哉だろ」
「えー? つか、今コイツ呼ぶなんて反則だろ」
「そんなことないよ、ねー?」
「ニャオウ」
おれと哲哉の間に無理やり入って来たおはぎさんは、当然よって顔をして、おれの膝に乗って来る。正直、足が痺れそうなくらい重いけど、これで哲哉の魔の手は封じられた。
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