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秋は、悪魔の季節だ。
私は今、自分の両手で耳を塞いでいる。
何故かって?
それはとても簡単、雑音を耳に入れないためだ。
「秋の食材な~んだ?はーい。秋刀魚、松茸、栗、さつまいも、銀杏、柿……おい、ミチ花。聞いてる?」
これは雑音、めっちゃええ声で言われても雑音、いらぬノイズよ……もしくは悪魔の呪いの言葉だわ。聞いたら呪われる系のあれよ、耳にいれちゃダメ。
「おいこら、ミチ花」
「あて」
ポコンと脳天をグーで軽く小突かれた私は、仕方なく力一杯瞑っていた瞳を少しだけ緩める。
目の前に見えるは、彼氏である哲郎クン。
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