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「課長直々に視察に来るというのは異例だ。怪しすぎる。ただの陣中見舞いと思ったら大間違いだぞ、きっと」
「じゃ……どうするんですか?」
ルケルケ・7・トーの目が揺れ動いた。
「ううむ。ともかく真面目に仕事に取り組んでいることを猛アピールする必要がある。なぁに、まかせろ。おれもクビにはなりたくないからな」
ガニガニ・9・ボーテは一計を講じようというつもりだった。
「さすが先輩は頼もしいです」
手をたたいて喜ぶ後輩。もう大船に乗ったつもりでいた。
「おまえも協力するんだぞ」
「はい! では先輩ががんばれるよう、スタミナのつく料理を作ります!」
5年も地球で暮らしていると、すっかり所帯染みてくるようである。
「そうじゃないだろうが」
ガニガニ・9・ボーテは脱力した。
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