おもてなしは腹黒く

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 しかし――。  いくら考えても正攻法では対処するのが難しい、と結論せざるを得なかった。たった1日で、課長が納得するようなプレゼンをでっちあげるのは時間的にも困難で、根性でどうにかできる問題でもなかった。 「で、なんでわたしなんですか?」  隣の402号室で居候をしている斑鳩メイ子がリビングにすわっていた。相変わらずの大きめのメイド服姿である。 「それはな」  念を押すような口調で、ガニガニ・9・ボーテは言う。 「おまえを地球人の代表として紹介することで、課長を煙に巻こうという魂胆なのだ。隣人のよしみで協力してくれ」  平日の昼間っから、暇を持て余しているやつは他にいないからというのもあったが。 「地球人代表って、わたし、アンドロイドだよ」 「細かいことはいいのだ」 「いいんですか?」  ルケルケ・7・トーが心配して口をはさむ。
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