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思う存分愛し合った後、俺の腕を枕にしてうとうとし始めたゆずを見下ろす。
月の光が落ちた髪。
それを指で掬ってはハラハラと落として遊ぶ。
髪の先まで愛おしい。
特別。って、こういうことなんだろうな。
そう思える女性と出会い、これからの人生を共に生きられる俺はなんて好運な男なのか。
閉じた彼女の瞼にそっと唇をあて、「おやすみ」と優しく呟いた。
以前の俺だったらとても考えられない行為だ。
「洋史さん…」
語尾にハートマークをつけてむにゃむにゃと俺を呼ぶ彼女は、めいっぱいに腕を伸ばしてきつく抱きついてくる。
「だいすき」
俺限定に向けられるゆずの愛情は堪らなく心地好い。
「知ってるよ」
ふっ。と笑って彼女を抱きしめ返した。
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