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能力別基本賃金制
翌月から、僕の勤める会社で能力別基本賃金制が実施された。結局、僕は部署の異動はなかったが、数人の同僚が異動となり、また他の部署からも数人が僕の部署に来たようだった。ちなみに僕の固定賃金はこれまでの月給よりすこし少ないくらいだった。入社一年目で減給とは、ついていない。
その後、部署内で固定賃金のことがけっこう話題になり、同僚たちと話をした結果、障害者枠で入社した従業員のほとんど、特に発達障害者は固定賃金が以前の月給より多くなり、逆に一般枠で入社した従業員のほとんどは固定賃金が以前の月給より少なくなっていることがわかった。
それから能力別基本賃金制を導入する企業は増えていき、年が明ける頃にはほとんどの企業がそうなっていた。
さらに年度が変わった頃、障害者の雇用率が急激に上がったとテレビで見た。背景には能力別基本賃金制の導入により、障害者枠で入社した従業員の業績が飛躍的に上がったことがあるとされていた。
さらに数年後には、中小企業を中心に、障害者枠で入社した従業員が社長や副社長になるということが増えていた。
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