blue bird

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「ふぁ…… 」 また欠伸が出た。悪阻が落ち着いてきてからというもの、どうにもこうにも、何時でもどこでも眠くてたまらない。 「前ん時はこんなこと無かったのにな……」 海音を身籠っていた時は、頼る身内もいない中、これから1人で育てていかなければならない責任とプレッシャーで押し潰されそうだった。だからか産む直前まで悪阻は続いた。 今は1人で頑張る必要がないせいか、ゆったりとした気持ちで、ストレス無く生活が出来る。全部、二海人のおかげだ。 まぁ、心配性で過保護なきらいはあるけれど。 真祝は、「幸せだね。良かったね 」とキツくなってきたデニムカーゴの腹部を撫でながらお腹の子に語りかける。 名前も3人で考えて、候補はもういくつか上がっている。 何故か海音が、「ななたん」とお腹に向かって呼ぶので、きっと『な』の付く名前になるだろう。 「あー……、もう駄目だ 」 真祝は畳んでいた洗濯物を放り出し、まだ畳んでいない二海人の洗い立てのシャツを抱き締めた。くん……と匂いを嗅いで、うっとりと目を瞑る。 今日は日曜日。昼御飯の後、二海人と海音は本屋に出掛けた。きっと、帰りは公園に寄ってくるだろうから、まだ暫くは戻らない。 コロン……と横になりながら、「もっと欲しいな 」と独り()ちる。 もっと、もっと、沢山欲しい。 どうしてそんなことを思ったのか分からない。ただ、本能的にそう思って、真祝は立ち上がった。
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