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どうして謝るの? 何に、謝るの?
二海人の言うことは難しくて、バカな自分には分からないことばかりだ。
つつ……と口の端を伝う水を、親指で二海人が拭ってくれる。
「二海人は、謝ってばっかだ…… 」
しかし、呟くように零れた言葉は、ドアを開ける大きな音と足音で掻き消された。
騒ぎを聞きつけた教師達が、教室に入って来たからだった。
「……! 」
「……っ?! 何だ!この匂いは! 」
舌打ちをした二海人が、自分の開襟シャツの釦を苛立たし気に急いで外す。 そして、バサリと脱いだそれを真祝に掛けると、教師達の視界から隠すように抱きかかえて背を向けた。
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