6.

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汚れた俺でも、二海人は一緒に居てくれるだろうか。俺が、久我 央翔と番になったと知っても。 「怖いよ…… 」 「怖くなんか、ないだろ 」 毛布ごと包まれて、そっと隙間から顔を覗かせれば、二海人が柔らかく微笑んでいた。 「二海人? 」 「ほら、用意出来たぞ。連れていってやるから…… 」 「……ッ?! いっ、いいっ!」 また抱き上げられそうになって、真祝は思い切りその手を拒む。 「まほ? 」 「俺……っ、俺、汚いしっ 」 腕を突っ張らせて抵抗する真祝に、二海人が怪訝な顔をした。 「だから風呂に入るんだろう? 」 「そ、それに臭いしっ! すっごく、臭いしっ! 」 「そうか? 」 自分の胸を押す手を、二海人は掴むと簡単に引き剥がす。そして、その手をぐいと引くと真祝を抱き寄せて、耳許で匂いをくんと嗅いだ。 「ふっ、二海人っ? 」 「全然、匂わないけどな 」
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