6.

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コクンと喉奥が鳴る音が、静かな部屋に響いた気がした。 「何でとはご挨拶ですね。こんな所に居るなんて、どうしてかこっちが聞きたい位ですよ 」 呆れた様な吐息(とそく)。乱れた髪をかき上げて、ここに居る筈の無い男は、「……いいコで家にいなさいと、言ったでしょう 」と怒りを秘めた声で言った。 オクターブ下げた低い声に、身体がビクリと震える。 「お、お前に関係ない…… 」 鋭い視線に耐えられなくて、ふいっと横を向く。 もう、頭の中がぐちゃぐちゃだった。 どうして? 何で? ーーー答えなんか1つしかないのに、何度も何度も同じ問いが頭を巡る。 「そんなことを言うなんて、……悪いコですね 」 ふっと、央翔が微笑った気がした。 「悪いコには、お仕置きが必要だ 」 久我 央翔は、もうαの本性を隠そうともしなかった。
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