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生まれながらの支配者たらん威圧感と、無遠慮に撒き散らされるαのフェロモン。息をする度、内側が侵食され、身体中に酔いがまわっていくようだ。
呼応するように、身体の奥が切なく濡れて、甘い蜜を垂らす。息苦しさに、真祝は胸元を押さえた。
「いや、だ。はっ…… 」
「匂いが強くなった。期待してるんですか? 」
手の甲で口元を押さえ、噎せた様に1つ咳をすると、央翔が近付いて来る。
自分が思う以上に、自分もフェロモンを発しているのだろう。発情期の身体は、番を見つけて喜び、誘っているのだ。
「く、来るな。二海人は? 二海人はどこだよ 」
焦って周りを見回すが、二海人の姿は無い。
どうしよう、怖い。このままだと壊される、狂わされる。
「二海人っ、 二海人っ! 」
けれど、逃げようと後退さっても、背中には虚しくソファーの背があるだけだった。
「……全く。他の男の所へ逃げて、他の男の部屋で、他の男の服を着て 」
央翔は苛立たし気にそう言うと、焔を湛えた瞳でソファーで横たわる真祝を見下ろす。
「二海人……っ! 」
「他の男の名前を呼んで 」
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