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報われなくても、友達としてでも、二海人の側に居られた。あの清廉潔白(せいれんけっぱく)な男が自分を裏切るだなんて、それ程自分が迷惑な存在だったなんて知りたくなかった。好きな人を恨む感情なんてものを持ちたくはなかった。 「俺は、お前を許さない 」 「はい 」 素直な返事に、自分の気持ちが軽く思われている気がして、カチンとくる。 嫌だと言ったのに、無理矢理暴いて、開かされた。あの行為で、この男は俺を自分のモノに出来たと思っているのだろうか? 「お前、分かってねぇだろ 」 「分かってますよ。許されないと知っています 」 「そんな、簡単に言うな! 」 「真祝さん、聞いてください 」 抱き締める腕の力が、きゅっと強くなった。まるで大切な宝物を包み込む様に。 「どうしても欲しくて堪らなくて、貴方の気持ちを無視して(つがい)にした。この事実はずっと消えないし、俺が一生背負っていかなきゃならないことだ。だけど、後悔はしていないです。俺は貴方をΩの呪縛から解き放ってあげられた、それが俺以外では絶対に嫌だった。俺は今迄、αに生まれてきてこんなに良かったと思ったことはありません。」 声が震えている気がして、顔を上げれば、泣きそうな顔をした央翔が真祝を見つめていた。微笑(わら)おうとしたのか、少しだけ口元を歪めたけれど、視線は反らさない。 「憎まれたって、恨まれたって、それでも俺は真祝さんと居たいんです 」
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