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緊張しているのか、息を吸って呼吸を整える。息を吐くと同時に開いた明るい色の瞳が、見惚れそうなくらいにキラリと輝いた。
「愛してます。結婚してください 」
王子の様な人間からの飾らないストレートな求婚に、ときめかない者などこの世にいるのだろうか?
「お前、ずるい…… 」
「大切にします。誰からも傷付けられないように、俺が貴方を守ります。だから…… 」
ポケットから取り出した、小さな小箱。央翔が立てた片膝の上でパコッと空けると、その中には、大きなダイアモンドの指輪が入っていた。
「お願いです、受け取って? 」
ダイアモンドより綺麗な微笑みが、眩しくて目眩がする。
「お前、いつも持ち歩いてたのか? 」
「いつでもしたかったし、チャンスは逃したくなかったので 」
気恥ずかしさに揶揄うつもりでそう言ったのに、返って来た答えは至極真っ当で、更に真祝を恥ずかしくさせた。
助けてよ……と、困って富樫の方を見ると、富樫はニコニコと笑っているだけ。
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