7.

4/38
前へ
/329ページ
次へ
******** 通知音が鳴った。真祝は「ちょっと、いい?」と、テーブルの上のスマホにを伸ばす。 『今晩、空いていますか? 一緒に食事に行きませんか? 』 相変わらずの固い文面。央翔からのメッセージだ。 土曜日なのにお疲れ。分かった……っと 。 返信した途端に、また通知音が鳴った。 「おわっ……と! 」 立て続けの通知音に、真祝はスマホを取り落としそうになる。 『ありがとうございます! 』 『いつものロビーラウンジに、18時でいいですか? 』 昨日も会ったのにマメなヤツだなと、真祝はクスッと笑った。了解と、生意気そうな猫のキャラクターが手で大きな丸を作ったスタンプを送る。 「お兄様ですか? 」 その姿を見ていた京香(きょうこ)が、テーブル正面から呆れた声を出す。 「ごめんね。何か、央翔から、今夜一緒に食事しようって誘いだった 」 「真祝さんが謝る必要はないですよ。今日は私とランチの約束をしてるって知ってるのに、連絡してくるお兄様に呆れてるんです 」
/329ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2825人が本棚に入れています
本棚に追加