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通知音が鳴った。真祝は「ちょっと、いい?」と、テーブルの上のスマホにを伸ばす。
『今晩、空いていますか? 一緒に食事に行きませんか? 』
相変わらずの固い文面。央翔からのメッセージだ。
土曜日なのにお疲れ。分かった……っと 。
返信した途端に、また通知音が鳴った。
「おわっ……と! 」
立て続けの通知音に、真祝はスマホを取り落としそうになる。
『ありがとうございます! 』
『いつものロビーラウンジに、18時でいいですか? 』
昨日も会ったのにマメなヤツだなと、真祝はクスッと笑った。了解と、生意気そうな猫のキャラクターが手で大きな丸を作ったスタンプを送る。
「お兄様ですか? 」
その姿を見ていた京香が、テーブル正面から呆れた声を出す。
「ごめんね。何か、央翔から、今夜一緒に食事しようって誘いだった 」
「真祝さんが謝る必要はないですよ。今日は私とランチの約束をしてるって知ってるのに、連絡してくるお兄様に呆れてるんです 」
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