月夜の小鳥は哀切な嘘をつく。1

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くちゅり……と音を立てて握られた瞬間、パンッと真祝の中で何かが弾けた。突然の絶頂に、頭の中が真っ白になる。 しかし、擦り上げられる刺激は止まらない。吹き出した白濁に、二海人も真祝が()ったことは分かっただろうに、何故か達ききってもやめてくれない。 達したばかりの感じ易い身体は、二海人の手の動きに合わせてビクビクと痙攣するように震えてしまう。 「や、ふみ……。くるし…… 」 嫌々をするように、ゆるく首を振ると、吸い付いていた胸の先をカリッと噛まれた。 痛い筈なのに、それさえも気持ち良くて、身体が大きく跳ねる。 「ふみ、と……、もぉ、やっ」 すると、ハッとしたように二海人が真祝の上から体を起こした。 「まほ…… 」 我に返ったのか、けれど自分のしたことの自覚はあるようで、情けない顔をしている。 真祝は、途方に暮れたような顔を可愛いと思った。 「俺……、悪い 」 違うのに。 真祝は思う。 二海人は罠に掛けられたようなものだから謝る必要なんかないし、聞きたくもない。 それにまだ……。
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