7.

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「……殴ってやる 」 もし、これが本当なら、アイツが認めたならば。 真祝はガタンと音を立てて、席を立ち上がった。 「なぐ……?、どうし……、真祝さん? 」 不穏(ふおん)な台詞と普通ではない真祝の雰囲気に、京香がおろおろとしている。 「ごめんね、京香ちゃん。俺、行かなきゃ 」 「ちょっと待って下さい。行かなきゃって…… 」 「本当は、帰りは家まで送って行こうと思ってたんだけど 」 「それはいいですけれど。真祝さん、行くって、一体どこへ? 殴るって誰を?」 真祝はそんな京香に、ふっと微笑(わら)い掛けた。そして、テーブルに紙幣を何枚か置くと、何も言わずに入り口へ向かう。 「真祝さんっ? 真祝さん……っ?!」 背中に京香の声を聞きながら、足が自然に速足になる。 「真祝さんっ! 今夜の兄との約束っ、覚えてますよねっ!! 」 入り口のドア開けた時に放った京香の言葉が、後ろ髪を引っ張る。一瞬、足が止まり掛けたが、真祝はそれを振り切って外に走り出した。
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