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ははっ、と二海人は笑った。 何だ、それは。どんな茶番だ? アイツのためにしてきたことが、(ことごと)く裏目に出ている。しかもその原因は、全て真祝の自分への恋慕からだ。 黙って、大人しく運命のαと共に幸せになっておけば良いものを、とんだ跳ねっ返りめ。 けれど、それを喜んでしまっている自分がいては、もう笑うしかない。 「はっ、ははっ……、はははっ」 アイツの馬鹿さ加減に涙がでる。そして、自分の馬鹿さにも……。 二海人は上を向きながら、目頭を押さえた。 ……真祝、お前、どんだけ俺のこと好きなんだよ。 「……あぁ、そうかよ。分かったよ 」 幸せに出来る、出来ないなんて、もう知るか。αだの、βだの、運命だの、くそくらえだ。そんなに俺がいいってんなら、腹括ってやる! 「え? 」 「俺のだ 」 「嵐柴さん? 」 さっきから意味の分からないことを言ったり、突然笑ったり、久我は自分の気が変になったと思っているかもしれないなと思ったら、ふっと口許が緩んだ。 二海人は、ぐっと襟元に指を入れると、締め付けていたネクタイを緩ませる。 「もう、俺のにするって決めた。あんなに可愛いの、もう絶対に誰にも渡さねぇ 」 前髪をかき上げながら、挑戦的に光彩を煌めかせて二海人は央翔に言った。 「アイツの居場所、教えろよ 」
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