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基本、『ブルー サンセット カフェ』のケーキは全部、以前某有名ホテルでパティシエールをしていたというみすずが制作していて、それはカフェの売りにもなっている。 そのみすずの作る、みお用と言って作るケーキは、店に出しているものとは違い、子供用に甘さを随分と抑えてある。サクサクのメレンゲの乗った甘酸っぱいレモンタルトは、特にみおのお気に入りだった。 食べた瞬間、酸っぱくてプルプルとしてしまうくせに、もっともっととねだる。その姿を思い出したら、真祝も三崎も顔を見合わせて思わず笑ってしまった。 「いつも、ありがとうございます。みすずさんにもお礼を言っておいて下さいね 」 「いいんだよ、アイツが好きでやってるんだから。」 三崎が顔の前で手を振った。 「でも、まほちゃんももっと俺達のことを頼ってくれていいんだぜ? 真祝も、みおも俺達の子供だと思ってんだからさ 」 「子供って、店長もみすずさんもそんな歳じゃないじゃないですか 」 三崎は真祝より10と少し上だと言っていたから、40歳を過ぎたくらいだろう。みすずも同じ歳だと言っていたのに、みおなら未だしもこんな大きな子供は有り得ない。 「そんな、10代か二十歳(はたち)そこそこの見目をしといて、よく言うよ 」 揶揄われたと分かって真祝は、「タープ、下ろしてきます! 」と三崎に背を向け、ドカドカと店外へ歩きだした。 本気に受け取って、馬鹿をみた! 後ろから聞こえる笑い声に腹が立ったが、そう言えば、前に誰かにもそんなことを言われたことがあったなと思い出していた。
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