2.

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秘密ごとを話すように聞くと、瞬間女の子が瞳を見開いた。 そして見ていて分かる位に顔を強張らせる。 何か変なことを言ってしまったかと、真祝は首を傾げた。 違うのか? それなら、全て合点がいくのに。 発情期の実際の怖さがどんなものなのかも、何も知らないΩのお嬢様が、いつ来るかも分からない爆弾を抱えながら、何らかの理由で朝の通勤電車に乗ってしまったとしたら。 「違うの? 」 聞くと、「そう、ですけど…… 」と、女の子の消えそうな声が聞こえる。 「やっぱり…… 」言い掛ければ、女の子が「わっ、私っ、そんなつもりじゃありません……っ!」と何故か怒った声を出した。 身を守る様に胸元を押さえて、女の子がキッと睨んでくる。 「おっ、Ωだなんて言って安心させて、私のことを襲う気ですか……っ?! 」 一瞬、何を言われているのか分からずにポカンとする。 けれど、真祝から決して視線を離さず、睨みながら後退る女の子の行動に、やっと意味が分かった。 「何が可笑しいのっ?」 「いや、ごめ…… 」 知らずに笑っていたらしい。 しかし、気付いてしまうと、1度零れてしまった笑いは止まらない。
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