月夜の小鳥は哀切な嘘をつく。1

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いつも公平な委員長の口から、そんな言葉が出るとは思っていなかった真祝はショックを受ける。 ひどい、嵐柴くんもコイツらと一緒なの? けれど眦を険しくして、キッと睨みながら顔を上げた真祝の瞳に映ったのは、二海人の優しそうな笑顔だった。 そして、思ってもみなかったことを、楽しそうにいじめっ子達に言う。 「だって、かわいいもんな。クラスの女子、ううん、もしかしたらがっこうのだれよりもかわいいんじゃね?」 何を言い出すんだろうと、真祝は瞳を見開いて二海人を見つめる。 「すきなコはいじめたくなっちゃうよな? なっ、しのみや 」 「……っ?! 」 そんな筈はない、そんなことは絶対に無いと、丸くなった瞳を苛めっ子達に向けると、何故か苛めっ子達の頬が赤く染まった。 「え……? 」 不思議そうに顔を傾げると、彼らの顔がもっと赤くなる。 そんな苛めっ子達に、二海人が呆れたように言った。
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